開平(2)−自立村へ
赤炊鎮のバスターミナルでバイクタクシーに乗る。近くの村を回るよ。どこ行きたい?と聞いてくる。バイクに乗るのが怖くて断っていたのだが、バイクでも乗らないことには範囲が広くて移動手段が無い。バイクタクシーはバス停の周りに居てすぐに見つかる。タクシーは開平市内部にしか居ない。
バイクの運転手の客引きもあっさりしたもので、「要らん」と言えばそれ以上言い寄ってこない。ぼったりはしていないようだ。20元で自立村までチャーター。片道10kmくらい。村と村とをつなぐ道は舗装されている。快適。
自立村(“革命”後につけられた名前とすぐ分かる)は観光地化されており、入村料が必要。
村内の楼閣はどこでも入って見学できる。まぁ特に何かが有る訳ではないのだが、せっかく来たのだから楼閣に登ってみないと。
楼閣は開平周辺に1833棟有るとのことだが、見学できるようになっている所は少ない。今も人が住んでいる所も有るのだが、ほとんどは廃墟となっているようだ。一部は犯罪者の巣窟になっている危険な所も有るようだ。国共内戦が終わり、共産主義が台頭するにつれ、ここに住んでいた「資本家」は危険を感じ、ほとんどが海外脱出をしたようだ。元は労働者なのに。
幸せってなんだっけなんだっけ...
この地域が貧しかったことと、香港/マカオ/広州(当時は英仏資本がなだれこんでいた)が近くに有り外国が身近だったことで、開平出身者は世界中に散っていった。現在も開平同郷会の活動は盛んなようで、その活動の様子が展示してある。
アメリカ、カナダ、オーストラリアは特に多く何十万人も居る。日本は少ないのはどうしてだろうか。神戸、横浜に居る華僑とは系統が違うようだ。
開平周辺は、太平洋戦争初期に激しい戦闘が行われたようだ。楼閣は本来、匪賊から身を守るために建てられたものであり、戦争の時はここに立て篭もった中国軍と攻撃側の日本軍との間で激しい戦闘が有ったそうだ。日本軍のイメージは非常に悪いです。ただ、資本主義という点で広東人は日本自体のイメージは悪いと言うわけでもなく、複雑な感情のようだ。
楼閣の中。100年前にしてはかなり豊な暮らしと言えるのでは。
この楼閣に住んでいた人たち。いかにも「成功者」というオーラが出ている。
立派な神棚(中国では何と言うのだろうか)。
文革時代に取り壊されていたものを、修復したっぽい。
中華民国時代のフィリピン航空のポスター。格好良い。中国にこんな物が残っているとは。戦争や文革をどうやって乗り越えたんだろう。
1907年のオークランド銀行の証書。
どれくらいの価値があったんだろう。NZでどれくらいの労力で得たのか、そして広東でどれくらいの物を得ることが出来たんだろう?
ビザだったかな?サンフランシスコへの船のチケットかも。(記録するの忘れた。携帯電話のカメラで撮影したんで文面が読めない)
自立村を出た後に、通り道だから見ていきなさいという薦めにしたがって「立園」へ。自立村を観光中は、バイクタクシーの運転手は近くに居たピーナッツ売りのおばちゃんとお茶を飲みながら待っていてくれた。
立園は貧しくしてアメリカに渡り成功した「謝維立」さんが、故郷に錦を飾った際に造った邸宅。馬鹿でかい庭園で有名だそうで、今は観光客がたくさん来ている。
家の前にはスーツを着てポーズを決めた銅像。近江商人とはちょっと違う自己顕示の仕方だ。
ただ、こんな人生も良いなぁ。どうやって一代でこんな巨万の富を得たのだろうか。100年前に貧しい中国人が、言葉も文化も違うアメリカへ渡る。人種差別も激しかった頃に。洗濯工を地道にやってても、鉄道敷設工事に汗をいくら流したところで、こんな富を得るのは無理だ。どんな労働で元手をためて、いったい何の商売をしたのだろうか。知りたいことは一杯だが、日本語の情報はない。ネットで「謝維立」検索しても出てくるのは「謝維立的四個太太」( 謝維立の4人の妻)なんて情報ばかり...
残念ながら立園についたときは既に夜7時。外はまだ明るいが、閉園時間ということで建物には入れなかった。庭を少し散歩。日本庭園のような繊細さは無いが、中国と西洋の入り混じった、でも最近改装したなというのが分かる、庭園というより公園だった。
手作りお菓子を買う。確か1元か2元。
素朴で良い。バスで食べるのにピッタリ。
赤坎鎮まで送ってもらい、バイクタクシー運転手と別れる。一日しか回れなかったが、開平市内に宿を取り2日以上かけてバイクで回れば楽しいような気がする。赤坎鎮に泊まるのも面白いかも。たぶん超格安(一番良い部屋でも60元くらいらしい)。
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「マカオグランプリの夜」につづく
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