ジャンビーアを持つ
イエメンの男性は成人するとジャンビーアという刀を持つ。三日月形のもので、普段は腰に差す。
ペルシア圏では他の国でもこの習慣は有るのだろうが、イエメンほど残っていないのではないだろうか。街行くほとんどの人が刀を差して歩いているのだから。
(写真は、道を迷ったときにホテルまで連れてってくれったおっさん。この人のジャンビーアは割と小さめ)
本物の刀なので当然殺傷力が有るのだが、興味深い話を本で読むことが出来た(ちなみに現在は装飾品として持っている人がほとんどです)。
みんなが刀を常時持っているからといって、イエメンでは絶えず争いが起こっているわけではない。一般にイエメン人は争いを好まない性格だそうで、武器に頼るのはどちらかと言えば避けたい、刀を出すのは当然最終手段だ(もしそうでなかったら、おっかないことこの上ない)。 面白いのは、相手より先に刀に手をかけることは、自分の方が相手より心が弱いことを意味するそうだ。そして相手が刀を出したならば、自分も刀を出さなければ、相手に負けたことになってしまう。相手が刀を出さなければ、一旦刀を手にした者も刀を収める。刀を出さなかった者を傷つけてはならない。日本の武士の心に通じるものが有るように感じる。両方が刀を手にしたならば...戦うことになるのだろうが。
(追記)実際にジャンビーアが使われることは滅多に無いです。数日前に食堂でけんかが有って、相手の首を貫通してた...という話を一度聞きましたが。
争いが起こっても、長老?(部族長とか)が仲裁に入るらしい。その場合は争っている両者は一旦、刀を長老に預ける。長老が判決を下すまでの間は争いを中断しなければいけない。難しい問題の場合は何日もかかることがあるが、その間は両者がどこかで偶然出会っても争ってはならない。長老の顔をつぶすことになる。争っている両者が違う部族の場合も両方の部族長が話し合う。部族長同士が争った場合は...部族同士の争いになる(のだろうか)。
イエメンは部族社会。法律よりも部族間の取り決めが優先する。政府の力が及ばない部族、地域も多い。トラブルに巻き込まれないように、外国人が首都以外に旅行する際は警察の許可が必要だ。場所によっては機関銃で武装した護衛が付く。誘拐事件が多いのは、外国人が憎いからではなく、政府との交渉材料(うちの部族にも水道や電気を通せとか)に使われるから。誘拐されると、大事な交渉材料。食べ物もちゃんとしたものを与えられ、客人として大切にされるらしい。自由は無くなるが。
このジャンビーア(三日月刀)、価値は土産物屋で売ってるものでは1000円程度から。上限は無い。金持ちは宝石をちりばめたきらびやかなものを持っているという。ドバイなどでは金持ちは数十万ドルもの価値のものを持っているとアブドゥル君は言っていた。
(写真/サナア旧市街地でよく見かけるジャンビーア屋さん)
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