047戦国時代の最近のブログ記事

無鹿 (文春文庫)
遠藤周作
2000年5月
文芸春秋

遠藤周作の短編のような取材日記
戦国廃城紀行---敗者の城を探る澤宮優
2010/1/22
河出書房新社

戦国で廃城ということで自然と近江についての記述が多くなる。八幡山城についての記述も前回(2000年)の発掘の結果に基づいて書かれていて、信頼できる。紀行文だから当然だが、著者が訪問した時に感じた事と、彼の知識(そんなに深いものではないのだが)がシンクロしていて良い。
この本を読んだ後に近江八幡に帰省したのだが、ちょうどたまたま著者の講演会が行なわれていた。著者は歴史の専門家でもないのだが、"廃城専門家"としてこれから有名になるのかもしれない。
高校ぐらいに読んだ記憶が有るのだが、古本屋で見つけたので再購入。
詳細な記述のために、創作ではなく本当にこの文献が有るかのようにも思える、辻邦生の歴史小説。

具体的な出来事の描写~堺商人とのやり取り、岐阜城での初めての対面、長島掃討、鳥羽での鉄鋼船建設、長篠へ向けての鉄砲製作と訓練、安土でのセミナリオ建設、石山城包囲戦~だけではなく、登場する人物の描写も面白い。目は笑っていない津田宗及、学者に似た佐久間信盛、陽気なオルガンティノ。傲慢なカブラル、思いつめた表情のヴァリニャーノ、運命を子煩悩な荒木村重、抜け目無い羽柴秀吉。日本を初めて訪れるヨーロッパ人という特殊な視点を取ることで、当時の日本の雰囲気が生き生きと伝わってくる。

また、その人物の特殊なこれまでの経歴~~ベネツィアで妻を殺して逃亡、ポルトガル傭兵としてノヴィスパニア(キューバ・ホンジュラスなどの占領地帯)の反乱鎮圧のために戦い苦しんだ後に、船員としてゴア(インド)、マラッカへとたどり着いた~~と人生観が、織田信長やヴァリニャーノの性格を理解するのに役立たせている。「事が成る」ためにはどうすれば良いかを常に真剣に考えているために余人には理解されない焦燥とあきらめが良く書かれている。

自分の知人にいる良く似た人物がいる。「成功者」と「嫌われ者&人気者」である彼らにに対する周囲の評価と、彼らの受け止め方が気になる。真剣に生きる人物は、周囲の大多数の者には理解されていない。多くの者は、彼らがすごいことは分かるが、なぜそうなのかは知らないのだ。本人(もちろん、この小説での織田信長)の孤独は深い。例え周囲には陽気に見えても。

「安土往還記」 辻邦生
1973年4月25日 新潮文庫
戦国城砦群」 井上靖 文芸春秋
昭和20年代の日経の新聞小説。この人も昔は大衆作家だったんだなぁ。
「宿敵」 遠藤周作
昭和60年12月20日

「たかが信長 されど信長」 遠藤周作

文春文庫 1995年9月10日

「真田軍記」 井上靖

角川文庫 昭和33年11月5日初版/平成元年6月10日改版

「真田軍記」「篝火」「高嶺の花」「犬坊狂乱」「森蘭丸」