76国共内戦の最近のブログ記事

ナツコ 沖縄密貿易の女王
奥野修司
2005年4月 文芸春秋
2007年10月文春文庫
太平洋戦争後の混乱時、アメリカ統治下だった沖縄。最西端の与那国島は、台湾との密貿易で栄えていた。
戦争の被害が大きく物資が不足していた沖縄へ台湾から大量の闇物資が運ばれていた。沖縄からは日本本土へ。南国の食品、砂糖や米、ペニシリンなどの医薬品など。
香港やマニラで買い付けられた商品は、中国商人と台湾やマニラ在住の沖縄人の人の手で台湾を経由して与那国島に運び込まれた。 与那国でもまれにアメリカ軍や琉球政府官憲による摘発も有ったのだが、一大勢力を誇った闇勢力を抑えることは出来なかった。
戦争の被害で何もかもない沖縄、そして日本本土。物はなんでもかんでも売れた。支払は現金が無ければ、戦争に使用された砲弾、鉄くず。
与那国島の港には次々と物資が運び込まれる。小さな島には日本各地から運び込まれた現金があふれた。島の人々は札束を持って歩くようになった。比喩ではなく本当に。島の中学生が学校を終えて荷揚げのアルバイトを数時間するだけで、当時の日本人の平均月収以上の収入を得た。島には次々と家が建ち人口が膨れ上がったのだが、その隆盛は戦後数年の混乱が終わると無くなった。

当時のこの状況を実際に経験した人はもう少ない。"密貿易"だけにその事実を記録する文書や写真も少ない。でもその事実まで誰の記憶からも消えてしまうとは...もったいない。面白い話なのに。
潜行三千里」 辻政信
2010年1月20日
毎日ワンズ
原著;昭和25年 毎日新聞社
「チャイナ・オデッセイ」
[ TO THE STORM
The Odyssey of a Revolutionary Chinese Woman]
楽熏雲(ユエ・ダイユン)/C.ウェイクマン=著
丸山昇=訳

上海時間旅行
―蘇る"オールド上海"の記憶

佐野眞一 他
山川出版社
2010年7月20日

山川が旅行ガイド(?)を出すとこうなるのか!といった感じ。さすが。
幕末の武士から芥川龍之介、李香蘭、記録の残っていない労働者まで、戦前の日本人を魅了した上海を、複数の日本人の視点から紹介する。

それにしても上海にはまだこんなに歴史遺産が残っているんだと驚く。これから数年でほとんど消えるような気もするけど。



*私と「上海」 上海育ちが語る我が青春の"オールド上海" 
*「筆紙をもってつくすべからず」幕末の志士も驚嘆した上海
*文士達の感性が捉えた「上海」の風貌
*[コラム]上海蟹は風流な食べ物 
*「中国のハリウッド」を疾走した川喜多長政と李香蘭 
*数々の日中人間ドラマを生んだサロン「内山書店」 
*[コラム]「上海」はどう描かれてきたか 
*日本海海戦を勝利に導いた 三井物産上海支店長「山本条太郎」一代記 
*それからの阿Qたち―2010年「在上海読書日録」より― 
*上海に行くなら"浴地"へどうぞ
*上海の夜と霧―『阿片王・里見甫』を振り返って 
*20世紀最大のスパイ事件「ゾルゲ」上海へ潜行す
*上海の夜に羽ばたいた悲劇の王女「川島芳子」 
*南進論の入り口は上海だった
*上海娯楽の象徴だった大世界
*私と「上海」 一家三代の上海百年物語
中国史の目撃者」毛沢東から鄧小平まで
ジョン・ロードリック/著、山田耕介/訳
1994年7月14日
TBSブリタニカ

"COVERING CHINA" by John Roderick

~ロドリックさん、あなたがドアを開けました。
1971年4月12日 周恩来

語学の才と機知を認められて、アメリカの諜報要員として徴兵された地方新聞記者青年。インドを経て重慶政府付として第二次世界大戦末期に四川省に向かう。戦後はAP通信特派員として中国共産党の取材に当たる。長征にも同行し、延安での中国共産党埋伏時代も経験した唯一の外国人記者となったために、毛沢東を始めとする革命第一世代と個人的な繋がりを持つ貴重な経験を得る。当時の描写部分がこの本で最も盛り上がる部分だ。
文化大革命時代は入国できなかったために、日本で中国の定点観測を行うのだが、文革前の経験が有る為に適切な判断をすることが出来ている。中国とアメリカが再び外交を結ぶきっかけとなるピンポン外交も同行するなど、非常に稀有な経験をしている。
89年の天安門事変での鄧小平の学生弾圧の判断について批難はしているが、鄧小平のその決断については予め予測していたようだ。

この本を読み、中国共産党のこれまでの経緯について評価はしなくてはいけない。毛沢東と鄧小平の業績はやはり大きい。ただ、彼(著者)も何度も悔しさ(?)を交えて書いているが、毛沢東と鄧小平の"変わり身"が残念でならない。
「魔都上海 オリエンタル・トパーズ」
山崎洋子
1993年10月25日
講談社

好きだけど、どこかで読んだなぁ。

「白公館の少女」 伴野朗

1997年 集英社文庫

「ワイルド・スワン」 (WILD SWAN)
ユン・チアン (JUNG CHANG) /著
土屋京子 /訳

1993年1月25日 講談社

近代中国を描いた本の中でもっとも客観的に描かれた作品の一つと言って良いのでは。
日本占領下の満州、国共内戦、文化大革命、大躍進を乗り越えた家族の壮大な話。