77中共時代の最近のブログ記事

中国史の目撃者」毛沢東から鄧小平まで
ジョン・ロードリック/著、山田耕介/訳
1994年7月14日
TBSブリタニカ

"COVERING CHINA" by John Roderick

~ロドリックさん、あなたがドアを開けました。
1971年4月12日 周恩来

語学の才と機知を認められて、アメリカの諜報要員として徴兵された地方新聞記者青年。インドを経て重慶政府付として第二次世界大戦末期に四川省に向かう。戦後はAP通信特派員として中国共産党の取材に当たる。長征にも同行し、延安での中国共産党埋伏時代も経験した唯一の外国人記者となったために、毛沢東を始めとする革命第一世代と個人的な繋がりを持つ貴重な経験を得る。当時の描写部分がこの本で最も盛り上がる部分だ。
文化大革命時代は入国できなかったために、日本で中国の定点観測を行うのだが、文革前の経験が有る為に適切な判断をすることが出来ている。中国とアメリカが再び外交を結ぶきっかけとなるピンポン外交も同行するなど、非常に稀有な経験をしている。
89年の天安門事変での鄧小平の学生弾圧の判断について批難はしているが、鄧小平のその決断については予め予測していたようだ。

この本を読み、中国共産党のこれまでの経緯について評価はしなくてはいけない。毛沢東と鄧小平の業績はやはり大きい。ただ、彼(著者)も何度も悔しさ(?)を交えて書いているが、毛沢東と鄧小平の"変わり身"が残念でならない。
「上海このごろ多事騒然」開放政策化の庶民事情
趙夢雲/著
1993年5月、大村書店

自分が初めて中国に行ったのは1993年。ちょうどその頃に書かれた話。急速に改革が始まった頃の上海での庶民の暮らしが分かりやすく書かれている。分かりやすいと感じるのは、著者が日本に留学に来た上海人だからだろう。著者が育った上海の町が帰省する度にどんどん変わっていく。日本人の心をよく知る中国人だかこそ書けるのだ。著者は中国国際旅行社専属の日本人ガイドだったこともあり、日本人がどのようなことに興味を持っているのかをよく知っていて、文章も分かりやすい。
翻訳ではない。中国人が日本語で書いている。


この本の趣旨ではないが、戦前の上海の様子が少し描かれている。文革時の中国の様子を知る日本人は少ない。つい最近(この本の書かれた1990年代初頭)までは戦前の上海の日本租界の建物はたくさん残っていたのだ。現在はもう見ることができない...
ドラゴン・パール」 シリン・バタノタイ 講談社
1950 年代、親米反共政策を続けるタイ。アメリカと中国の間で翻弄される国の元首相の兄弟が「人質」として中国に隠密に送られる。当時小学生だった著者の成人するまでの自伝。華やかな特権社会に属する生活、文化大革命時の下放生活、母国の造反組に命を狙われ、無国籍になり農村での潜伏生活。各国の外交官、国家主導者に守られ、時には隠れながら成人するまでの、かなり異色の経歴を描く。(パールバックの同タイトルの本とは違う)

 「蛇頭」 莫邦富

平成11年2月 新潮文庫


「労改」
~中国強制収容所を告発する~


1996年12月
ハリー・ウー/著。山田耕介/訳
TBSブリタニカ

中国の「労改」(労働改造所=強制収容所)で20年強制労働させられた著者は、出所後にアメリカに渡航。自らの潔癖と中国共産党の腐敗、労働改造所の実態を世界にアピールするために活動を開始する。調査のためにまた中国に隠れて入出国をするも、4回目の入国(この時は新疆に陸路で入国)の際に、入国審査で発覚、また捕らえられてしまう...
「ワイルド・スワン」 (WILD SWAN)
ユン・チアン (JUNG CHANG) /著
土屋京子 /訳

1993年1月25日 講談社

近代中国を描いた本の中でもっとも客観的に描かれた作品の一つと言って良いのでは。
日本占領下の満州、国共内戦、文化大革命、大躍進を乗り越えた家族の壮大な話。