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10年くらい前に読んだマンガ、「虹色のトロッキー」を再読。 以前よりも更に面白く感じる。 安彦良和(ガンダムなど)はほとんど読んだことが無いが。

時代は1930年代後半。
舞台・出てくる地はハルピン、大連、伊寧、アルマアタ、牡丹江、興安街、黒河、ブラゴベチェンスク、上海、錦州、ノモンハン。

日本人の父とモンゴル人の母の間に生まれた主人公。幼いころに家族が殺された真相を掴むにつれ、人生の歯車が変わっていく。

亡命中のトロッキー(ウクライナ人。ロシア赤軍創始者だが粛清され、メキシコ亡命)を担ぎ出して満州国に招聘し、ユダヤ人社会を味方につけて対ソ戦争に利用しようとする勢力、それに反発するさまざまな勢力、協力する勢力の中を主人公は渡り歩く。敵・味方(実際はどちらかを敵or味方と単純にはくくれない)双方に魅力的な人物が居り、一気に読みきれる。


こういうフィクション漫画は、そのフィクション部分以外をどれだけ真実に近づけさせられるかで面白さが決まると言っても良い。まだ現存している人、家族など多くの人に取材したのが分かるこの話は文句なしに「面白い」。


日華事変前後の日本陸軍・海軍・満州国軍・興安軍・中共軍・ソ連軍・その他匪賊の勢力関係、中国東北地方の立地関係の知識が有ればより楽しめる。満州国軍とは別に活動していた「興安軍」の存在すら自分は知らなかった。



p.s.この話に出てくる人物で戦後も生き延びた人物が「辻政信」というのはなんと言う皮肉だろう。(戦犯になるのを避けて逃亡を続け、時効後にベストセラー作家、国会議員、そしてラオスに潜入し行方不明に
「西域伝-大唐三蔵物語」 伴野朗

1990年 集英社文庫

脱出記 ~The Long Walk~
スラヴォミール・ラウイッツ 著
海津雅彦 翻訳
2005年9月10日
株式会社ソニーマガジンズ
1941年ポーランド陸軍騎兵隊中尉だった筆者は、突然ソ連にスパイ容疑で逮捕され、そのままシベリア奥地の強制収容所に収容される。極寒の収容所で次々と仲間が死んでいく中、このまま死ぬよりはと仲間6人での脱走を決意する。
追手を撒きながら、シベリアのタイガ(針葉樹林帯)、モンゴルの草原、ゴビ砂漠、甘粛・青海の高山地帯、チベットの荒野、ブータンの山々を、すべて徒歩で越えてインドまでたどりつく。
インドでイギリス軍に保護されるまでの壮絶な記録。
大自然を生き抜く知識、国際情勢の知識、あきらめない意志のすべてを持ち合わせた者だけが生き残る。

1956年のイギリスのベストセラーの翻訳版。2004年に著者が亡くなってから、日本で出版された。


[2013年3月追記]
「極寒のシベリアや酷暑のゴビ砂漠を、水も食糧も持たずに踏破できるのか、ましてや雪男まで登場...フィクションとしても面白くない、残念」というコメントが有ったので意見を。
自分も雪男なんて信じていないが、筆者がシベリアの収容所を脱出してインドまで到着したのは事実で、亡命後にイギリスでこの本を出したのも紛れも無い事実。自分の無実の罪で収容所に送られた経緯、ソビエトの横暴を世界に知らしめたと言う意味でも、この本は面白いと、自分は思います。
[2013年3月追記]
ビリヤニハウスに 何か面白いルートで旅したいという人が居たので、参考図書として寄贈しました。


映画化されたようです。 「 WAYBACK
2012年9月 映画日本語字幕版予告

労改(ラオカイ)
~中国強制収容所を告発する~


1996年12月
ハリー・ウー/著。山田耕介/訳
TBSブリタニカ

中国の「労改」(労働改造所=強制収容所)で20年強制労働させられた著者は、出所後にアメリカに渡航。自らの潔癖と中国共産党の腐敗、労働改造所の実態を世界にアピールするために活動を開始する。調査のためにまた中国に隠れて入出国をするも、4回目の入国(この時は新疆に陸路で入国)の際に、入国審査で発覚、また捕らえられてしまう...

「敦煌」 井上靖

新潮文庫 昭和40年6月30日