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ダリエン地峡決死行
北澤 豊雄
2019/6/13
産業編集センター
旅人なら憧れる"陸路国境越え"。
その中でも特に困難であることで世界的に有名な、コロンビアからパナマへの陸路国境越えを、コロンビアに在住だった著者は企んだ。この国境は法によって越境が禁止されているわけでは無い。道が無いのだ。国境はジャングルで道が無いだけでなく、麻薬組織や反政府組織の勢力範囲。これまでもこの地域に入った数多くの人が殺されてきたと言う。
だがこれは逆に犯罪者や難民など、何らかの理由でパスポートを持たない者たちが自由の国アメリカへ行くために隠れて越えて行く道。著者は先住民や謎の"越境請負業者"の案内でここを徒歩で越えようとするのだが...
本を読み始めて数ページ。あれ?既読感が...と思ったら、以前一部をネットで読んだ文章だ。彼は数年前からこの文章を出版しようとしていたがなかなか出版社が見つからなかったらしい。今回、満を持してようやく出版されたのだ (これは彼の処女作)。

だが、なぜ出版化に時間がかかったのかと思うほど、高野秀幸さんのミャンマーからインド越境の本のような面白さ。"普通の人"が危険地域に無鉄砲に飛びこんで行く感じが良い(笑)。

先がどうなるのか分からずテンポ良く話は進むので、読み始めると一気に読み切る。"友達の旅行記"と思い読み始めたのだが、そんなものではない。素晴らしい"紀行文"だ。

彼がスペイン語が出来て最後には先住民の人達と信頼しあえたのが、成功の大きな理由だろう(あ、成功したと言っちゃった)。パナマに入ってからの一騒動も興味深い(自分は"そのような体験"をしたことがないので)。

途中のコロンビアに関する解説の部分が冗長に感じたのだが、一般の日本人読者はその知識が無いからきっと必要なのだろう。実際自分もコロンビアやダリエン県についての知識は無かったが、一気に読めたので。これを読んでコロンビア、と言うか先住民の村に行きたくなった。著者はそんな思惑が有ってこれを書いたのではないだろうが。