2006年7月アーカイブ

オリガ・モリソヴナの反語法
1960年代のチェコのプラハに有るソビエト学校、日本共産党の幹部子弟として、幼少時代を過ごした筆者の体験を元にした小説。
その学校に居た強烈なインパクトを放つ二人の老教師、政治が絡む複雑な環境で育つ生徒達。
ソビエト崩壊後に明らかになった、周囲に居た人々の複雑な過去。真実を知ろうと筆者が追う。

暗い話のはずだが、明るく振舞う、個を押し殺して生きる登場人物達の描写が良い。 最後の最後のページで大きなどんでん返しが有る。
筆者(米原万里)が書いたエッセー「旅行者の朝食」を買ったのはほぼ1ヶ月前。軽いノリで書かれたその本を読んでいる時に、筆者が亡くなった。新聞の訃報欄で知った時には驚いた。筆者の代表作の一つ(「オリガ〜」)を買ったのはそんな時。
歴史が大きく動いている時代を生きた人の書いた本は面白い。