2010年8月アーカイブ

辺野古への基地移設がまた話題になっているが、その案が最初に出た数年前に書かれた本。沖縄戦で父などを失くした著者が、自分の沖縄生活を振り返って書いた本。
沖縄出身で就職の為に本土に出て現在は神奈川県の高校教師の著者が、就職面接で「身分証明書(沖縄が日本返還前に、パスポート代わりに発行されたもの)」を見た面接官が最初に言った言葉は「日本語が上手ですね」「国籍は?」だったことなど。沖縄の一市民が味わったこれまでの歴史。

「うちなー賛歌」 外間喜明
2005年6月23日 かりゆし出版
「単騎、千里を走る」

白川道 / 2005年12月15日
チャン・イーモウの作品ということで映画を観たかったのだが、いまだ観ていない。出演者は知っているがあらすじは知らなかった。この本は映画の方が先に出来て、その脚本を元に小説化されたもの。「山の郵便配達」や「初恋の来た道」と同様に、シンプルだが味わい深いものだった。映画はきっともっとその傾向が強く出ているのであろう。

自分にとって意外で嬉しかったのが、舞台が雲南省の麗江であったことだ。2年前に訪れた時と同じく晴れ渡った空、旧市街の賑わい、ナシ族の住む郊外の静かな農村、切り立った崖のはるかかなたの山奥の村の様子などを思い出させてくれた。

この映画の公開は2006年。麗江が急にブームになったのはこの映画の影響もあるのだろう。
「猛女とよばれた淑女」
~祖母・齋藤輝子の生き方~
斎藤由香 / 2008年2月20日 / 新潮社

楡家の人々」を読んでから。
齋藤茂吉の妻、齋藤茂太・北杜夫の母である齋藤輝子の波乱に満ちた人生を孫が振り返る。資産家の娘として生まれ、山形から上京して来た茂吉と9歳で婚約、失火と戦災で2度無一文になる(火災保険も期限切れで莫大な借金を背負う)も堂々と生き、生涯50回以上の海外旅行を行う。戦前のヨーロッパ遊学、戦後の南米、ガラパゴス、ソ連(腸チフスで入院)、アフリカ周遊、エベレスト、南極まで僻地を中心に旅行する様子が興味深い。
アメリカ生きがいの旅
城山三郎 / 1987年8月10日 / 文春文庫
昭和60年前後のアメリカについてのルポ。
"日本"がアメリカに進出していく影響が現在と比較出来て興味深い。もちろん著者はそのようなこと全く想定していないのだが。シリコンバレーでのベンチャーと関わる日本企業、ロスの日本人街や老人ホームで生活する日系一世、寿司屋で成功する日本人、テキサス・ヒューストンで石油成金とビジネスする日本商社、テネシーの田舎の巨大工場で"日本車"を作ろうとする人達、ニューヨークで華麗に暮らすアメリカ人の孤独、アラスカでオーロラの研究を行う日本人。20年経って現在その人達がどうしているのかが気になる。