2011年5月アーカイブ

水曜の朝、午前三時
蓮見圭一/著
2005年11月
新潮社

本屋には一人で行くのも良いが、誰かと行くのもまた、良い。 【本日新書すべて200円】の張り紙の有ったブックオフ。文庫本で何気なく取った本。「あ、それ良かったよ。軽く読める」という言葉で特に気にせず買った本。

(あらすじ)
私(男)は幼馴染と結婚する。結婚相手(葉子)の母親(直美)は幼稚園の頃から知っている。どこか退廃的、不良なその女性のことは気になっていた。その直美が脳梗塞で亡くなった。亡くなる直前に直美は葉子に宛ててテープを残していた。そのテープには、若かった頃の直美の思い出が残されていたのだが、内容は直美の夫には聞かせるわけにはいかないことだった。

直美は厳しい家庭で育てられたのだが、美しく才能の有る彼女は就職して2年目、初めて親に逆らう。許婚との結婚から逃げるために、大阪万博のコンパニオンとなったのだ。大阪での寮生活で彼女はある男性と出会う。その男性と結婚を考えるのだがその男性は...



著者の名前は聞いたことが無かった。文章は平易で読みやすい、突拍子のないことは起こらない。だがよく練られている。あちこちにちりばめられているメッセージ、人生訓のようなもの。

出てくる地名が個人的に懐かしいというかひっかかる。千里。東成の食堂。下鴨のデルタ。南禅寺。木屋町の細い路地。京都ホテルのバー(昨年なくなってしまった。あのホテルでは...) 春の琵琶湖疎水の桜。冬の舞鶴の吹雪の夜。

穏やかな日常の中に有る、非凡な才能を持った人たち。