2019年8月アーカイブ

使者と果実
梶村 啓二
2013/2/21

破滅につき進む男女。最後の一瞬に幸せをつかむのか...最後に明らかになる事(二人は結び付いたのか)と、最後まで謎に包まれている事(最後に女のとった行動)の両方で、読後の余韻を楽しめる。

舞台は戦前のハルピン、ベルリン、現代のブエノスアイレス、ロンドン。二人のその行動の後に、満州国と第三帝国は消滅し、二人が憧れた"南米のパリ"と呼ばれたアルゼンチンの首都ブエノスアイレスは、華やかな雰囲気を残したまま没落していく。 街やそこに居る人達の華やかさと寂しさを対比させる書き方が良い。

古本屋で安さと装丁に惹かれて買った本だが、良かった。