7家族男女老人の最近のブログ記事

「ワーキングプア 日本を蝕む病」
NHKスペシャル「ワーキングプア」取材班
2007年6月11日
ポプラ社

続編となる「ワーキングプア 解決への道」から先に読み始めたのだが、読めば読むほど暗い気持ちになる。具体的な解決策はまだ分かっていない。多くの人が知らず知らずに、この本に書かれている立場になりつつあるのが実感できる。普通の会社員、学生、高齢者も若者も、自分は大丈夫と思いつつ、いつの間にか、あるいはある日突然(家族の死や失職のために)ワーキングプアになる。
この本では多くの人へのインタビューによって得られた具体的な事象が書かれているだけで、問題の解決にはなっていないのだが、読む価値はあった。

失明する運命の女の子は、吹雪の夜に越後の旧家で生まれた。病弱な母に代わって母の妹に育てられたその子は強い意志を持ち、次々に起こる壁を乗り越えていく...という話。

連載当時自分は高校生だった。この新聞小説が大きな反響を得ていることは知っていたのだが、読んでいなかった。毎日新聞を購読していたのだが...今回古本屋で買って読んでみて、話の展開もよく、また読者(特に女性)が感情移入もしやすい内容、ヒットの要因が分かりやすく、興味深かった。

もちろん内容もよく、時代背景、舞台背景(越後の冬、静かで暗い夜)の描写もうまい。失明した少女が感じる夜、静かで冷たい蔵を想像しながら読んだ。都会の人でも、もちろん越後の人が読んでもそれぞれの感じ方は違うだろうが良いと思う。


p.s 読み終えたときにちょうど日本経済新聞の私の履歴書で大蔵敬一氏(月桂冠社長)の連載が始まった。彼は伏見の酒蔵で越後とは違うのだが、彼の生い立ちがこの「蔵」の主人公「烈」の子供の生き方と重なり、興味深かった。



「蔵」 宮尾登美子
1993年9月20日 毎日新聞社

「日本人ごっこ」 吉岡忍

1993年1月 文春文庫