384社会・家庭生活の最近のブログ記事



明治期の加計呂麻島での生活を静かな文章で情緒的に描かれている。話し言葉の部分は当時の言葉で書かれていてルビがふられている。島尾ミホ最後の作品なのだが、80代後半の人が書いたとは思えないきれいな文章(80代の人の文章を読むこと自体あまり無いが)。
  島尾ミホは加計呂麻での少女時代、結婚後の東京での時代、平穏を求めての家族での奄美移住、夫の死去後の静かに暮らす時代、それぞれ別の小説に描かれている。東京で生活をしていた時代の「死の棘」で描かれた"狂うひと"のイメージが自分は強く、そして夫の島尾敏雄死去後ずっと喪服(黒い服)で過ごした彼女だが、心の奥底には加計呂麻で暮らしたときの思い出がずっと残っていたのだなと感じされられる一冊だった。
「ワーキングプア 日本を蝕む病」
NHKスペシャル「ワーキングプア」取材班
2007年6月11日
ポプラ社

続編となる「ワーキングプア 解決への道」から先に読み始めたのだが、読めば読むほど暗い気持ちになる。具体的な解決策はまだ分かっていない。多くの人が知らず知らずに、この本に書かれている立場になりつつあるのが実感できる。普通の会社員、学生、高齢者も若者も、自分は大丈夫と思いつつ、いつの間にか、あるいはある日突然(家族の死や失職のために)ワーキングプアになる。
この本では多くの人へのインタビューによって得られた具体的な事象が書かれているだけで、問題の解決にはなっていないのだが、読む価値はあった。
「父、坂井三郎」
[大空のサムライ」が娘に残した行き方

坂井スマート道子
2012年8月17日
産経新聞出版

生きるためには負けないのが重要、前後左右上下を確認しろ、ホールインワンを狙え、朝は元気に、出かけるときには笑顔で挨拶。娘が国際結婚する際に懐刀を持たせる、独特の家庭で育った著者が、なぜ親がそのような教育をしたのかを振りかえる。
「引き札と広告~八幡商人の華麗なる商い」
近江八幡市立資料館
2006年3月

辺野古への基地移設がまた話題になっているが、その案が最初に出た数年前に書かれた本。沖縄戦で父などを失くした著者が、自分の沖縄生活を振り返って書いた本。
沖縄出身で就職の為に本土に出て現在は神奈川県の高校教師の著者が、就職面接で「身分証明書(沖縄が日本返還前に、パスポート代わりに発行されたもの)」を見た面接官が最初に言った言葉は「日本語が上手ですね」「国籍は?」だったことなど。沖縄の一市民が味わったこれまでの歴史。

「うちなー賛歌」 外間喜明
2005年6月23日 かりゆし出版
「ロンドンひとり暮らし」 中野左知子/著
2002年12月15日 文芸社/刊

イギリスの大学に留学した日本人女の子の体験記。
率直な感想が自分の文章で、短編形式で書かれている。
イギリスに留学していた人が、「論文(エッセー?)を提出しなければ」とよく言っていたのを思い出した。この著者もそれで文章を書く事を鍛えられたのではないだろうか。各章ごとうまくまとめられ、簡潔な文章ばかりだが推敲を繰り返して書かれているなと感じた。
記録小説作家の、幼い頃の随想録。

「東京の下町」 吉村昭
1989年1月10日 文春文庫

「こんなものいらない辞典」 朝日ジャーナル

新潮文庫 平成元年2月20日