69陸軍生活の最近のブログ記事

シルミド[実尾島事件]の真実
城内康信
2004年5月15日
宝島社
十五歳の義勇軍―満州・シベリアの七年
宮崎静夫
2010年12月/石風社

熊本の山村に住む15歳の少年が、満蒙開拓青少年団に志願し、故郷を後にする。「お国のために」という意識が特に高かったわけではない。母親が病弱で、兄弟は多く貧しい家庭で育った彼にとって、必然な選択だったのだろう。
茨城県での開拓団訓練を受けて満州へわたり、同様の境遇の少年達との共同生活を経て、戦争末期、満州義勇軍に17歳で入隊、一度も戦闘経験無いままわずか2ヶ月で終戦。兵隊ということもありそのままシベリアに抑留される。あまりにもひどい環境を乗り越え、7年後帰郷する。
彼の身を助けたのは「絵を描きたい」という信念だけだった。一度もそのような教育を受けたことも無く(と言うかそもそも小学校しか出ていない)、油絵も見たことすらないという環境の彼が、抑留中、そして帰国後も最底辺から這い上がっていく様がこの本の見どころ。

著者が過去を振り返って思い返す短編をまとめたものなのだが、文章が瑞々しく、著者のこれまでの長い人生の苦労、そこで出会った人達との関わり、ひたむきな性格がうまく出ている。
帰還せず-
残留日本兵60年目の証言

青沼陽一郎
新潮社
2006年7月30日
『「玉砕総指揮官」の絵手紙』栗林忠道
吉田津由子/編
2002年4月1日 小学館文庫


10年くらい前に読んだマンガ、「虹色のトロッキー」を再読。 以前よりも更に面白く感じる。 安彦良和(ガンダムなど)はほとんど読んだことが無いが。

時代は1930年代後半。
舞台・出てくる地はハルピン、大連、伊寧、アルマアタ、牡丹江、興安街、黒河、ブラゴベチェンスク、上海、錦州、ノモンハン。

日本人の父とモンゴル人の母の間に生まれた主人公。幼いころに家族が殺された真相を掴むにつれ、人生の歯車が変わっていく。

亡命中のトロッキー(ウクライナ人。ロシア赤軍創始者だが粛清され、メキシコ亡命)を担ぎ出して満州国に招聘し、ユダヤ人社会を味方につけて対ソ戦争に利用しようとする勢力、それに反発するさまざまな勢力、協力する勢力の中を主人公は渡り歩く。敵・味方(実際はどちらかを敵or味方と単純にはくくれない)双方に魅力的な人物が居り、一気に読みきれる。


こういうフィクション漫画は、そのフィクション部分以外をどれだけ真実に近づけさせられるかで面白さが決まると言っても良い。まだ現存している人、家族など多くの人に取材したのが分かるこの話は文句なしに「面白い」。


日華事変前後の日本陸軍・海軍・満州国軍・興安軍・中共軍・ソ連軍・その他匪賊の勢力関係、中国東北地方の立地関係の知識が有ればより楽しめる。満州国軍とは別に活動していた「興安軍」の存在すら自分は知らなかった。



p.s.この話に出てくる人物で戦後も生き延びた人物が「辻政信」というのはなんと言う皮肉だろう。(戦犯になるのを避けて逃亡を続け、時効後にベストセラー作家、国会議員、そしてラオスに潜入し行方不明に

イラク自衛隊「戦闘記」
佐藤正久
2007年3月22日
講談社
イラクとの戦争が終わり、イラク中部のサマワに駐留することになった自衛隊。
多くの人の思惑、様々な矛盾をかかえ、イラクに向かう施設隊の隊長になった著者「ヒゲの隊長」の記録。
少し意外な経歴。自衛隊にもこんな人が居るのかと新鮮。
ただ、やはりこの人は特殊なのだろうなとも思った。
*ロボット相撲に挑戦する
*アジアのおかまたち
*インドネシア暴動に参加する
*カンボジア総選挙取材
*サハリンに行ってみる *ホモと半身ファンの人生相談


「できるかなリターンズ」 西原理恵子
2000年4月20日 扶桑社
/ 「戦場特派員」 橋田信介
2001年12月20日実業之日本社

マスード長倉洋海
2001年11月 河出書房新社

アフガニスタンの英雄マスード将軍。カブールの豊かな家で育ったが、ソ連の侵攻に伴い武装勢力を率いて山に篭りソ連と戦う。誰とでも気さくに接し、日本を含め海外にファンも多かった。ソ連撤退後の混乱の中、彼はタリバンとも戦い自由を目指したのだが、アラブ人のテロに遭って亡くなる。ジャーナリストを名乗る男の質問に応えているとき、ビデオカメラの中に仕掛けられていた爆弾にやられたのだった。

彼が亡くなったのは2001年9月9日。あのアメリカでの同時多発テロのわずか2日前だった。

その後の世界の流れは周知の通り。反タリバン勢力は散り散りになり、タリバンとアルカイーダは勢いを増した。アメリカはタリバンとアルカイーダ掃討を目指してアフガン・イラクに侵攻した。だが未だに平和は訪れていない。
/ 「不肖・宮嶋inイラク―死んでもないのに、カメラを離してしまいました。」
宮嶋茂樹/著
2003年7月 アスコム/刊
著者の代表作(写真集として)になるのでは。さすがだ。カメラマンという肩書きを利用したエッセイストではと思えるくらいの著者だが、今回は命を張っての写真にただ感心する。イラクやアメリカ兵の写真よりも、市民が略奪している写真の方が印象深い。注釈もなかなか気が利いている。
照準のなかのソ連兵
―日本人ゲリラ、アフガンに死す

田中光四郎
ジャプラン出版
1987年6月1日