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沢木耕太郎

登山家の山野井泰史のギャチュンカン(ヒマラヤ)北壁登攀の記録。この登攀数日間は彼の生き方を体現していると言って良く、そこに至るまでの彼の人生を紹介しながら、クライマックスである登頂後の2日間の場面までどんどん引っ張っていく著者(沢木耕太郎)の筆力がすごい。
もちろん書かれているのは、人並みはずれた山野井夫妻の生命力。空気の薄い標高7000mの高さにある、高さ1000mの壁を這い登る二人に吹雪と雪崩が襲い掛かる様子。夜は岩にハーケンを打ちロープを張ってぶら下がって眠る二人は、食欲が無くなり、目が見えなくなり、凍傷で指先が次々やられていく。これは記録小説なのだが、沢木耕太郎の作品にしては珍しく読後の高揚感有り。ギャチュンカンのベースキャンプに行ってみたいと思った自分は変なのだろうか。