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「海も暮れきる」
吉村昭


大正時代の句人、尾崎放哉の小豆島での生活を描く。「記録小説」というジャンルを創った吉村昭が興味を持った句人というのでどのような人かと思い読み始める。島に着いてから死に至るまでのわずか1年。東京帝国大学を卒業し、保険会社の部長の要職に就いた主人公が、酒癖の悪さのために、徐々に社会の底辺に追いやられていく様子を淡々とした文調で書かれている。
こんな人が身近に居たら嫌だろうが...彼を受け入れるわずかな人の支えで生き長らえる様子がうまく書かれている。...いや、しかし、嫌いな人は嫌いだろう。