北杜夫の最近のブログ記事

「猛女とよばれた淑女」
~祖母・齋藤輝子の生き方~
斎藤由香 / 2008年2月20日 / 新潮社

楡家の人々」を読んでから。
齋藤茂吉の妻、齋藤茂太・北杜夫の母である齋藤輝子の波乱に満ちた人生を孫が振り返る。資産家の娘として生まれ、山形から上京して来た茂吉と9歳で婚約、失火と戦災で2度無一文になる(火災保険も期限切れで莫大な借金を背負う)も堂々と生き、生涯50回以上の海外旅行を行う。戦前のヨーロッパ遊学、戦後の南米、ガラパゴス、ソ連(腸チフスで入院)、アフリカ周遊、エベレスト、南極まで僻地を中心に旅行する様子が興味深い。
楡家の人びと」 北杜夫 新潮社
著者の家族の辿った道を淡々と描く。なんと個性豊かな人々なのだろう。いや、この時代の人はみなそれなりに波乱万丈の人生を過ごしたのだとすれば、平凡な人の特徴をうまく捉えて描いているというのが正しいのかもしれない。
中学3年~高校1年にかけて北杜夫の本を軽いものから順に読みまくった。あのときなぜ読まなかったのだろうか。「輝ける碧き~」ほどではないが彼の傑作だろう。それに北杜夫を知るにぴったりの本(彼の話は後半にちょっとしか出てこないが)。