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半島へ、ふたたび
蓮池薫/著
新潮社
2009年6月25日

"拉致被害者"の蓮池さんのエッセー。
前半は著者のソウル旅行の旅行記。「日本語・南北それぞれの朝鮮語が分かる、北朝鮮で暮らした事の有る日本人」という特殊な立場の人の韓国旅行ということで、普通の日本人のソウル旅行記とは少し異なっていて面白い。北朝鮮と韓国との微妙な差(政治体制や生活レベルはもちろん大きく違うが、民族の性格は当たり前だが似ている)を考えながらの旅。
わずか数日のソウル旅行だけでこれだけ文章を書けるのだから、旅の思い出は旅の長さや、どれだけすごい所(?)に行ったかというのが重要でないことがよく分かる。

後半は、日本での翻訳家としての生活、韓国の小説化との交流についてのエッセー。ブログからの転載ということも有り、そんなに示唆に富んだ文章という訳ではないが、"翻訳家"の心情などは興味深い。

この人も日本に帰国してもう何年も経っているのかと改めて思う。まだ帰国していない拉致被害者のことも気になるが、蓮池さんのこれまでの北朝鮮での暮らしも非常に気になる。まだ公に出来ないことがたくさん有るのだろうと思う。