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景福宮を観光した後、徒歩で「チェジュ料理(済州島の料理)」の店に向かう。ソウル中心の官庁街ではあるが小さな路地に、その店は有った。
アシアナ航空で働くSさんの元同僚が経営する店だという。韓国人の男性と結婚し、ソウルに移住し夫婦で開いた料理店。テーブル席の他に、上がり框の有る10人くらいが入れる座敷。日本でいうところの「定食も食べれる居酒屋」だ。家の近くにこんな店があれば重宝するだろう。それぞれの座席(畳の部屋を貸切、田舎の宴会スタイルだ)に着いた時に、店の人が言った。

「最初のスープですが、『味噌のスープ』が良いですか?『ウニのスープ』が良いですか?」
...

聞くまでもない。全員が即座に『ウニのスープ!雲丹、ウニ!』と答えたのであった。

韓国に来て2日目。日本の味「味噌汁」が恋しくなったのではないかという親切な配慮なのであろうか。それとも韓国では味噌と雲丹が同等の価値を持つのであろうか。又は味噌スープの具は豪華絢爛なのであろうか。いや、しかし皆の心は互いに確認するまでも無い。ウニを食べたい!のであった。

味は当然満足のいくものだった。ウニとわかめのスープ。
メインが来るまでにテーブル一杯に並べられたキムチなどの惣菜。
30cm鍋にぎっしりと入った太刀魚の辛煮。

昼間からマッコリを飲み、満腹になった一団は満足して店を出た。
満足の理由は味だけではない。値段にも有るのだが、正確な金額は忘れた。チェジュ島の料理と名乗るからには、蛸や新鮮な魚介類のフェ(韓国風刺身)も出すのであろう。日本人なら誰でも喜ぶだろう。韓国で居酒屋を開拓するのも楽しい。
仁川空港に到着後、他の便で来る知人を待つ。折角なので待ち時間にウエルカムボードを作成。
コンビニで太字のペンを赤黒2本購入、店の横に捨ててあるダンボールを拾い、ダンボールを適当な大きさに折りたたみ、裏に「歓迎」などのメッセージを書く。ビジネスクラスで韓国来たが、やってることはホームレスだ。いざ、到着ゲートへ。

ベンチでがさごそしている僕を、韓国人おじさんが興味深そうに見ている。ゲートでは同じNWの便を待っている大学生グループに「ジャパンジャパン」と言われ?、小さな子供に替りにボード持ってもらい喜ばれたり(?)、束の間の交流をして過ごす。
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みんなと合流後は、市内の宿に。今回の宿は団体ということで、日本から予約していた普通っぽいホテル。どこかで聞いた名前にそっくり(しかし、パッカー宿)。

僕だけ予約していなかったのでドミトリー。同室になったのは、日本に進出希望の韓国企業に技術コンサルティングに来ているという日本人ビジネスマン(と言うか大阪商人)と、オマーン人旅行者。この日本人は3週間も滞在しているそうな。オマーン人は1週間くらいいるということだが、いつも眠っているので会話せず。 なんだか僕の部屋だけ"濃い"ような気がするのだがどうしてだろうか。

いつもの大元旅館とは違う。だが清潔だし、ネットも無料。ロビーで何か飲みながらゴロゴロしてたらそれなりに話し相手も出来そうで、まぁこんな宿も良いかなと思った。
1泊たしか17000W(1500円くらい)。
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 「板門店」へ行く。北緯38度線で向かい合う韓国と北朝鮮の接点。現在も残る冷戦の遺構。非常に満足度が高かった。ただ、これは南側からの視点で見たもので有ることを最初にことわっておく。

韓国政府指定の旅行会社が行うツアー。朝鮮戦争時の北朝鮮の同盟国籍と、当事国(韓国/北朝鮮)籍以外の者だけ参加できる。今回やっと参加することが出来た。定員は決まっているし、毎日実施されるわけではない。情勢により中止される日も有る。光化門前の免税店に集合、パスポートチェック。予め申し込みしてあった人物かどうかのチェック。

ソウルから漢江沿いに"自由路"を車で1時間、臨津江沿いに有る臨津閣に向かう。数年前までは韓国民間人が行ける最北端(現在はもう一つ先の鉄道駅まで行ける)。自由路は片側3車線の自動車道。速いスピードで車は流れる。コンクリートの小さなトンネルが何箇所くぐるが、これは"北"が攻めてきた時に爆破して時間稼ぎをするため。1個で5分程度は進行を遅らせられるだろうと言う。横を流れる漢江沿いには鉄条網と監視小屋。ここは韓国領土内だが、北からアクアラングを付けた特殊部隊や工作員が進入する可能性が有るからと言う。途中、ゲートで検問。バスに兵士が一人乗り込み、乗客のパスポートチェック。顔写真と名前のチェック。名簿と見比べるだけ。チェックは徴兵された若い兵士。大学生だろう。ここから先は指定場所以外は撮影禁止。その他にも不満、理不尽に感じることが有るかもしれないが決して逆らわないように言われる。服装についての申し出を兵士に取り次いだガイドが統制力不足ということで職を失った話を持ち出して説明される。

 

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写真1/臨津江を渡る鉄道橋。川は凍っている。

写真2/橋のたもと。歩いていけるのはここまで。

写真3/終着「都羅山」へ向かう列車。観光化されていて誰でも行ける。

写真4/北を望む臨津江。

写真5/朝鮮戦争時の戦車の展示。

写真6/戦死者名を刻んだ碑文

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0601141247 臨津閣ではカメラマンによる「記念撮影」。もちろんこの写真は後で参加者に販売されるのだが、このツアーならではの重要な目的が有る。"何か"が起こった時の為に国連に保存が義務付けられているのだ。まさかスパイは混じって無いだろうが。

 

ここで半時間ほど観光後、バスで数km、国連軍の駐屯地「キャンプボニバス」へ。ここから警備は韓国軍から国連軍に変わる。国連軍は現在、韓国とアメリカ軍で構成されている。基地には参加17カ国の国旗がはためいている。ここに有る施設(中学校の大教室のような感じ)でガイドによる板門店についてレクチャー。朝鮮戦争などの基本的なことだけをスライドを使って説明を受ける。ここで参加同意書。日本語でA4の用紙、結構文章は書いて有るのに「時間が無いのでサインだけしてください」と言われみんな読まずにサインをしている。「どのような事が起こっても韓国政府、国連は責任を取りません」「行政権は及ばない」といった事が書いてある...サイン後、国連の名札を受け取り左胸に付ける。

ここからは国連のバスに乗り換え。兵士がバスに乗り込む。銃を持っていて弾は45発実弾装てんされているとわざわざ説明を受ける(45はバスに乗っている人数でも有る。つまり...)。市内で見かける兵士とは体格が違う。バスの前にMP(憲兵隊)のジープが先導する。道は舗装されているが非常にゆっくり走る。自動車教習所のように道の真ん中に柵が設置されていてS字状に柵を避けながら走る。もちろん北からの侵攻を遅らせるためのものだ。

最後のゲートではパスポートチェック。今度はバスから下車し、2列に並んで銃を持った兵士にチェックを受ける。パスポートの名前欄と顔写真を見られるだけなのだが。一人づつ「アリガト」と言われた。

基地を出てからは緑に囲まれた山々の中を走る。それぞれの丘の上には監視所など。北からの現地情報を分析するする施設など。

そしてこんな所に田んぼと高麗人参畑が有る。韓国最北の村「自由村」が有るのだ。この村の人口は220人。朝鮮戦争時までここに住んでいた人が住んでいるもちろん一旦は移動したのだが、韓国政府に直訴をしてまた現在も住んでいる。北への宣伝塔=南はこんなに豊かなのだ=と見せ付けるために。ここで収穫される米は「自由米」というネーミングで高い価格で売られていると言う。村民は移動などの自由は無く、もし戦争の時は危険が非常に大きいが、収入は多いと言う。小学校も1校(生徒11人、教師12人)有るという。

兵士が荷台に乗っているジープが数台留まっている「機動打撃隊(ガイドそのまま)基地」を過ぎるとここからは板門店JSA(=Joint Securuty Area)に入る。この機動打撃隊はJSAで"何か"が起こったときに僕達を救出する任務をもって待機している。この部隊が到着するのにかかる所要時間は1分30秒とのこと。

小さな丘の切り通しを抜けて、車内ににアッという声が起こる。ニュースで見かけたことの有る建物が並んでいる。ガイドから、そこに行くまでの道の右に水色の建物が有りそこに地下室が有るので、ここから先で緊急事態が発生したときはそこへ逃げ込むように言われる(そこが一番安全らしい)。

板門店の敷地内の警備は北と南が35人づつ。以前はこのエリア内は自由に行動していたらしいがポプラ事件以降、敷地の真ん中の線を越えてはならないようになった。線を越える=越境、それも兵士が敵対した国へ越境するということは...どうなるかは分からない。

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国連軍の施設「自由の家」の前でバスを降り、2列に並ぶ。全員が並ぶまでは絶対に動かないように言われる。名札が左胸に付いているか、外れないようになっているか確認した後、走らずにゆっくり建物に向かって歩く。ここで歩いている所を北朝鮮側が双眼鏡で一人づつチェックしているという。名札が付いていないと部外者の侵入とみなされ狙撃されても責任は持てないと言われる。参加者すべての顔を北は記録しているはずだと言われている。「加治隆介の儀」にもこのシーンが有った。同じ説明を受けたのだろう。

ここでは水色の建物は国連軍のもの、白い建物は北朝鮮のもの。真ん中に有る小さな建物「軍事停戦委員会」だけが時間を決めてそれぞれの国が交互に使用しており、いよいよその会議室に入る。20畳くらい。そんなに広くない。真ん中のテーブルの中央に旗が有り、その下のマイク線が国境だ。この部屋の中でだけ"越境"が出来るのだが、北側の扉の前にはツアー参加者が"亡命"しないように体格の良い国連軍兵士が立ちはだかっている。

この部屋の中では写真撮影が許される(撮影が許可されたのは、国連軍基地の駐車場内とここ、そして次の展望台のみ)。今思い返せばここに特に何か被写体が有るわけではないのだが、滅多に入ることが出来ない空間、独特の雰囲気に呑まれ皆あちことにカメラを向けている。会議場内には北朝鮮が盗聴器を設置しているので、北の悪口などを言わないように釘を刺される。日本語で話しても翻訳されている。ガイドのこの忠告も盗聴されているのだが...

 

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会議場を出て、次に板門店を見渡せる展望台に。ここでも写真が許可される。ここで許可するのならどこでも許可をすれば良いのに...北朝鮮の兵士も一人だけ見える。南側の若くて体格の良い兵士と比較すると北側の兵士は年配のような気がする。建物内のカーテンは動いている。距離は200mくらいか。望遠で写真を撮ってみた。

今は南側の訪問時間だからか南側の兵士が多く目に付く。北を向く兵士は壁に体を半分隠しているが、弾を避けるためだ。どの方角にもすぐ動ける体勢。ここに居る兵士は陸軍第一師団から選ばれていて、非常に士気が高いそうだ。

兵士のサングラスが気になっていたのでなぜ付けているのか聞いてみた。顔を北に識別させないようにするためかと思ったのだが、理由は目線の動きを隠すためだと言う。ここでは北と南の兵士が銃を構えて向き合っている。ずっと2人で向かい合い睨みあっているので、70年代は銃を撃ち合いが多発した。その為、無駄な諍いをなくすためにサングラスをするようになったらしい(北側はしていない)。顔はすべて知られており隠す必要は無い、北のことだから工作員を使って詳しく調査しているだろうとのこと。

僕達にはガイドから予め、「北に向かって指をささない、北の兵士に話しかけたりどのような行動も起こしてはならない」と言われていたのだが、去年ブッシュ大統領は訪問の際に北の兵士に向かって手招きをした。北の兵士は微動だにしなかったそうだが。アメリカ大統領なら許されるのかと少し不満を持ったのだが、これは北(の国家)に向かってのアピールだという。

 

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実際、ここには政治家がよく訪問する。国際会議に出席するのではない。"現状視察"という名目で北へのアピール、そして北にメッセージを送ったということをマスコミや世論にアピールするために。アメリカ大統領は任期中一度は訪れるそうだ。

展望台の後、ポプラ事件の起こった場所、北の宣伝村(実際には誰も暮らしていない)を望める丘などを向かい、ツアー終了。僕達を保護、監視していた兵士と写真を撮る。こうやって写真を撮ると体格の立派さが際立つ。

 

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このツアーのあり満足度は高い。目的がはっきりしているのと、普段立ち入ることの出来ない場所にいけるから。非常に充実している。

この日ついてくれたガイドは50代位の女性。離散家族、親は北朝鮮に居るのでずっと顔は見ていない。「私は自由が好きだから南にいるわけではないのです。同じように北の人も北の政権、社会主義が好きだから北に暮らしているのではないのです。なぜこうなっているのか、どうしたらこの見えない壁(38度線に昔のベルリンのように壁があるわけではない)が無くなるのか誰も分からない。」と言っていた。日本でも北朝鮮が話題にならない日は無い。実際にこの見えない壁を体感出来たのは良い体験だ。体験しなくてももちろん知識として誰でも知っているのだが、やはり違う。

実際に見て気づいた事。2国は実際には昔ほど敵対視していない。この10年で大きく変わりつつある。もちろん自由に行き来は出来ないが、展望台も出来た。金剛山(北朝鮮領土内に有る朝鮮半島で一番高い山)に行くツアーも出来た。北朝鮮内に韓国企業が進出した。たぶんもうすぐ鉄道がつながる。開城くらいなら南から陸路で行けるようになるかもしれない。

ここ板門店は今まで多くの事件が起こった場所だ。犠牲者も多い。今回も警備が付いている。しかし本当に危険なのだろうか。もし、本当に危険なら今回のようなツアーは催行されないはずだ(中止になる日も有るようだが)。

パスポートチェックも有るが、チェックしている人は偽造を見分ける目を持っていない。経歴を調査されるわけでもなく日本人なら誰でも参加できる。警備も厳重なのだが、もし北朝鮮が"何か"を起こしたらこんな警備じゃ何も守れない。こんなのを見れば、実際には無い危機、不安感を無理に煽っているような気もしないでもない。日本には平和ボケという言葉が有る。兵隊が居なくなれば良いと言った理想論も滑稽なのだが、この無理に不安を煽る最近よく聞く主張にも不信感を感じる。

現在は"何かが起こること"、戦争を恐れているのは南ではなく、北のような気がする。国境の近くに学習施設という名目で観覧車やゴーカートの有る遊園地が出来た韓国、どこか余裕の気配が見える韓国軍の兵士を見て感じた。

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