2006年10月アーカイブ

成田にある某航空会社のカウンターで働く人から聞いた話。
「韓国から毎日日本に日帰り旅行をする、つまり韓国から成田へ毎日、午前の便で来ては午後の便で帰るという韓国のオバサンが居る」らしい。恐らく日本で入手した家電?の運び屋さんなのだろう(違法ではない)。

ここから思い出した話。たまに知人などから安く海外行くにはどうしたら良いか尋ねられる。

特に目的無く世間話の一つとして聞かれたときには僕は「連れてってもらうのが一番安い」と答えるようにしている。安い航空券を探すのではなく、航空券を奢ってくれる人を探せば良いのだ。もちろん冗談としての話なのだが、これ、事実なのだ。旅好きの間では有名っちゃ有名なのだが、知られていないといえば知られていない話なので書いてみようと思う。


以前僕は一度バンコクへの「運び屋」をやったことがある(シンガポールだと思っていたのだが、この文章を書くにあたり調べてみたらバンコクだった)。もちろん偽ブランド品や麻薬、拳銃の類ではない(笑)。
ブランド買付ツアーの詐欺や、麻薬が鞄に入れられていたという事件が稀に報じられるがそういうのとは一切関係は無いのでご安心を。


郵便や宅配便よりももっと速く早く確実に運ぶにはどうすれば良いだろうか、答えは直接誰かが持って行くという方法。運ぶ物は緊急を要する書類や部品、商品見本など。法に触れるもの、現金は運べない。実際に飛行機に乗ることによって、その人の機内預りの重さ以内の範囲の物を運ぶのだ。
「明日の会議までに契約書を運ばなくては」とか、「この部品が無いと工場のラインが止まってしまう」とかビジネスをしている人なら一度はお世話になったことが有るのでは。その海外版だ。僕もバイク便にはよくお世話になってます...(当日のコンサートチケットを運ぶ時とかに)。


バイク便などこの仕事をする人、この職業「運び屋」のことを「クーリエ」という。
正確には「オン・ボード・クーリエ( on board courier )」。
この人達は無料or格安で海外に出かけているのだ(当然のことだが)。


で、この運び屋になるにはどうすれば良いのか。
手っ取り早いのは国際運送屋に恥ずかしがらずアタックするのである。就職する必要は無い。希望日を言うだけでよい。その会社は「クーリエ」などの語句で検索してもなかなか見つからない(嘘だと思う方、どうぞお試しを)ので、ちょっと頭をひねる必要がある。いくつかピックアップしたところを紹介します(常時クーリエを募集しているわけでは有りませんが...)。旅行好きには無料で教えるにはもったいないくらいの貴重情報のはず。


シャトル 北京/上海/広州が強いらしい。

JAL trans  ニューヨーク〜成田〜バンコク クーリエ募集ページ

ジュピター (僕がやったことがあるのはここ)


上記以外にも「クーリエ」をやっている企業は有ります。でもクーリエと言っても実際に人が運ぶのではなく、航空貨物として運ぶだけの企業も有ります(見分ける方法としては料金や所要時間など)。予算や緊急度に合せて業者を選ぶようです。


IAATC (International Association of Air Travel Courier)←ホンマかいな?

air courier association アメリカ。ここはちょっと怪しいが...

*(2011年10月追記)上記サイトどれも現在はもうなくなっていました。
ただ、記事を書いた時点では存在したということを残す為、あえて修正や削除をせずそのままにしてあります。


体験者が語るクーリエのメリット、デメリット

+/海外に安くor無料で行けます
−/自分の荷物はあまり持ち込めません(当然!)
−/通常は一便に付き一人だけです。そして仕事はいきなりやってきます。(友達等と一緒に行くのは難しいでしょう)
−/マイレージはつかない場合がある(航空会社もこのビジネスに噛んでます)
−/報酬はまず無いです。報酬無しでもやりたい人が多いので。(職業としてするのは難しいでしょう)

クーリエは、日本よりも欧米の職業パッカーの方で知られている。一時代前(10〜年位前?)に流行ったらしい。昔、カオサンで出会ったアメリカから聞いた事がある(つまり本当かどうか分からないという事)。
でも、情報を活かせば夢はかなうのだ...何事も。たぶん(笑
さぁこれを読んだ、働いていない暇なあなた、お得に海外行っちゃって下さい。


参考文献

The Courier Air Travel Handbook

The Courier Air Travel Handbook: Learn How to Travel Worldwide for Next to Nothing (7th ed)By acting as a courier or escort for important packages, travelers can obtain significantly reduced airfare to just about anywhere in the world. This book shows how easy saving money on travel can be.


Air Courier Bargains: How to Travel World-Wide for Next to Nothing (Air Courier Bargains)Brussels for $99. Bangkok for free! Sound impossible? It's not. Every day hundreds of people take off for exotic ports of call as air couriers. This book tells how and provides a world-wide directory of courier companies plus subject and destination indexes.

日曜日の新聞を読み返していたら、文化欄のあるコラムを見て非常に驚いた。

「ハッピー・マン」-野崎歓- (日本経済新聞10月15日朝刊40面)


自分が体験した出来事と瓜二つなのだ。
初めての海外一人旅で遭遇したワンシーンが鮮明に蘇った。



1993年の春休み。バイトで得たお金で航空券だけを買い、香港・シンガポールへ行った。ガイドブックによると、海外の都市には"ゲストハウス"という安宿が有って安く泊まれるらしい。インターネットが無かった時代、まわりに海外に行った人も居ないので情報は無かった。いや、初めて「旅」に出る田舎の高校生には情報の必要性に気づいて居なかった。旅先のトラブル、TIPSみたいのを知っていれば、これから書く事は起こらなかったかも知れない。

香港啓徳空港に到着したのは夜10時くらいだった。飛行機から見る香港の夜景はすごかった。
降りた途端にむむむぅぅと肌に粘りつく熱気、出迎えの人のすごい数にいきなり僕はやられてしまい、両替をしてバスに乗るという何でもないことにも気力が要った。ただ好奇心が有ったおかげで事は運び、1時間後僕は九龍の雑踏にたどり着いていた。

なぜか安宿が入居しているこのビル"重慶大厦"周辺だけアフリカ系黒人やインド、アラブ人がたくさん居たのだが、へ〜こんな所なんだーと、特に意識せず僕はビルに入った。ビルの中は蒸し暑い。あちこちのフロアに 「何とかHOTEL」 やら 「何とかGuest House」 「何とか招待所」 という文字が見える。
早速目に付いた部屋に入り声をかけてみるが、「FULL!!」と一言言われて追いだされてしまった。何件目かにしてみつけた部屋、相部屋でよければ泊まれるという。迷わずここに泊まることに決めた。


部屋の中にはターバンを巻いたインド人3人組が居た(写真)。宿なのに自分の部屋のようにくつろいでいる。ここで「生活」しているようで、怪しい祭壇のようなものまで作られている。
生まれて初めて見るインド人。非常に「濃い」。
あまりにも怪しい、この部屋の空気に少しひるんだのだが、インド人が英語を話したことも有り僕の緊張は少し緩んだ。修学旅行で交換学校の生徒と話したとき以外、 「英語を使って会話をする」 のは生まれて初めてだったのだ。疲れていたのかもしれない。

そこでインド人はなぜか唐突に言った。君には明るい未来が有るのだと。great future...
なぜそんな話題になったのか今はもう思い出せない。
暗い小さな部屋で、祭壇のろうそくの灯が揺らめき、名も知らぬインドの神様が笑っている...

そしてインド人は何も書かれていない紙を僕に渡して言った。
君の好きな"鳥"の名前を英語で書けと。
いきなり好きな鳥の名前と言われて僕は困った。好きな鳥がまず思いつかない。
鷲、鷹???それに英語でなんと言うのかがまた分からない。
なぜか分からないが僕は[swan]と書いた。
インド人はその紙を折りたたみ、中身を見ないでろうそくの炎で燃やしてから言った。
「君は白鳥が好きだ、当たっているだろう」。僕は素直に驚いた。

あまりにも馬鹿馬鹿しい話なのだが、インド人は僕に言った。
「君のこれからの人生を知りたくは無いかね。50HK$で教えてあげよう」

...今となっては恥ずかしい。僕はお金を払って僕のこれからの人生を教えてもらった。何歳で結婚するとか、何歳で病気になるとか。もちろんもう今は内容は覚えていない。

僕がだまされやすい性格ということ、まだ若かったということ、初めての海外一人旅の初めての夜にしてはあまりにも特殊な雰囲気だったということ、原因は多いのだが、僕は見事にやられてしまった。
これからの自分の未来を知ることが出来たという貴重な経験をしたのだが...(笑


この10年前の僕の体験と同じ体験をした人が居た。
その人もその貴重な体験を、ほほえましいものとして懐かしんでいるようだった。

僕もその夜から「旅人」の世界に入り込んでしまった。
僕はもう旅の面白さからもう逃げることは出来ない。
長崎県の五島諸島へ行った。
東日本に住んでいるとあまりの馴染みの無い地域なのだが、意外と広い。
五島諸島といっても実際の島の数は五島ではなく、とても短期間でまわれる規模ではない。
 
かなり忙しく動き回ったのだが福江島と中通島の一部をみただけ。
後半は平戸、歴史好きにはたまらないところだった。
 
五島で驚いたのはカトリックが今も根付いていることだ。
集落ごとに立派な教会が有り、住民が祈りに来ている。子供が教会で遊び、
おばあさんが買い物途中に寄って祈っている。
信者は収入の0.3%を寄付する仕組みが出来上がっている。
いくつか有名な教会だけ見学しただけなので、もっと深く調べてみたい。
 
後は魚が新鮮で安いことか。かなりの漁獲量があるようで、新鮮なのは当然として本当に安い。ここで朝獲れたのを空輸して、東京のスーパーで一桁高くなって(さらに居酒屋で倍の値段になって)売られているのだ。
1泊2食ついて5500円の民宿で一人ごとに、伊勢海老(1/3匹くらい入っている)の味噌汁、小さいふぐのみそ焼が丸々1匹。ひらめの刺身がどーんと出てきたのには感動した。
スーパーでの買い物が楽しい。帰りは高速バスなので、持って帰れないので買わなかったが...
 
 
以下、ざっと足どり。
 
 
木曜日(10/5)
最終便で福岡へ、博多港0時1分初のフェリーーで福江島の福江港へ。
 
金曜日(10/6)
朝、福江着。レンタカーで福江島を一周。
堂崎、水の浦などいくつかの教会、ドンドコ滝、柏崎、
小浦浜をまわり、夕方荒川温泉に入る。
荒川港でヨットで旅をしているオランダ人を見つけ話す(低気圧で避難中)。
井持浦教会をのぞき、大瀬崎で日が沈むのを見る。
玉之浦の民宿で豪華に魚を食べ、寝る。
 
土曜日(10/7)
鳥山島、鬼岳を経由し、福江港。
福江港より中通島の青方港へフェリー。
レンタカーを借りて中通島、奈津と頭ヶ島教会、上五島空港を見る。
榎津の民宿泊。
 
 
日曜日(10/8)
日曜ミサの後の青砂が浦の教会、曽根の温泉で朝湯。
有川港より佐世保港へジェットフォイル。
佐世保でフレンチのランチ。佐世保より松浦鉄道で田平、
バスに乗り換え平戸島へ。
三浦按針(ウィリアムアダムス)の墓や、平戸のオランダ、イギリス商館跡を見学。
平戸牛の焼肉。平戸のホテル泊。
 
月曜日(10/9)
早起きして平戸市街地やザビエル教会、松浦氏の資料館などを見学。
バスで佐世保へ。佐世保で特急に乗換、博多へ。
博多より夜行高速バス。
 
火曜日(10/10)
東京着。

(10月6日16:37)

200610061627荒川港で、ヨットが係留してあった。日の丸の旗が揚がっている。船の名前は「阿里山(アリシャン)」と書いてある。ソーラーフレーム(自家発電)が付いているので、長距離の航海が出来るのが見て取れた。

ガイドブックによると荒川港(地図)は「国際避難港」に指定されており、海が荒れた際は外国籍の船舶が非難してくるそうだ。避難港とは小型船舶が避難の為に整備された港湾のことで、港湾法で定められ日本では35箇所あるそうな。

荒川温泉に入る前から気になっていたので、温泉から上がったあと、船の中に声をかけてみた。

船にいたのはヤンさん、オランダ人。どれくらい航海しているのかと尋ねたら、ちょっと質問の意味を解しかねたように「23年間」と答えた。僕も意味がよく分からなかったが、話を聞いてみると23年間旅をしているようだ。旅の途中で仕事をしたり、船を買いかえたりして、一箇所に1年以上いることもあって、どこからが旅で、いや「旅」とは何かという、まぁ答えの無い話になりそうなので詳しくは聞かなかった。普通の日本人よりは僕は抵抗は無いと思うのだが。

日本では福岡で語学教師になり、割りと長い間住んでいたようだ。いや家は無いので長期滞在をしていたという表現の方が適当か。港にヨットを留めてそこで生活していたそうで、この「阿里山」は日本で中古で買ったようだ。

リッチですねと言ったら、日本人はいつもその話題を一番に言うと笑われた。僕のように旅の話から会話をはじめる人より、お金の話からする人が多いようだ。

まぁ理解できる。僕もあの旅の後に聞かれたことは「いくらかかったか」「その間仕事はどうするのか」といったことがほとんどだからだ。旅の話、例えば「###では何食べた?」とか「###人はどういうくらしぶりをしているか」と聞いてくる人はほとんど居ない(笑

ちなみにこの船の値段は聞いたような気がするのだが忘れた。中古のマンションくらいと言っていたのは覚えているのだが。「私はホームレスです。家を買う日本人の方がよりリッチだ」と言っていた。

これからは甑島諸島や屋久島、沖縄、宮古、石垣を経由して台湾、クリスマスは香港で迎えるという予定だそうだ。欧米人は冬は暖かいところで過ごしてまた日本、夏にアラスカを経由してアメリカへ移動するヨットが多いそうだ。考えただけで楽しそう。

船はベットルームやトイレも2個有り、中には入っていないがそれなりに快適そうなのだが、広い海でこれだけの小さな船だとやはり寂しそうで、自分では無理なような気がする。

英語、日本語もそれなりに理解する人なので話は面白かったのだが、大瀬崎の夕陽に遅れそうだったので半時間ほどで別れた。

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