極寒地へのフライト

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(2/29ヤクーチヤ航空 R3423便ヤクーツク発バタガイ行)


搭乗前から何かが普通でない事は分かった。
ヤクーツク空港の出発ゲートを入ったところで係員から「帽子は持っているか?」と尋ねられた。もちろん持っているよと答えたが、ゲートを出て航空機に向かうバスに乗った時にそんな質問をされた理由が分かった。 バスの中は-30度だったのだ。乗客が全員乗り込むまでバスの扉は開いている。肌を露出していると危険なのだ。
それにここから先、目的地の気温は-40度以下。勘違いしている乗客はいないか、最低限の装備を持っているかの確認をしているのだ。

飛行機はソビエト時代の名機An-24(アントノフ24型)。5段くらいのタラップ(屋根は無い)を一人づつ上がる。タラップの下に係員がついて2人同時に行かないように制御している。

機内は2人掛けの座席が10列ほど並び、満席だった。
座席位置は指定されているが、滅茶苦茶だ。自分の席は空いているように見えたが、隣に座っている男の子から「パパが来る」と言われたのであきらめて後方の席についた。

乗客が全員搭乗するまでドアが開いているので、機体の中は凍えるように寒い。いや、本当に凍る。ドアを開けていると暖房などつけても無意味なのだ。全員が乗り込むと暖房が入るが、飛行機の暖房だけでは暖かくなるまで時間がかかるので給暖車からホース(パイプ?)を使って暖気が機内に入れられる。ホースは機体前方から客室内に入れられるのだが、こんなのを実際にこの目で見るのは初めてだ。


前方に座っていた人は非常に暑かったと後で聞いたが、後部の座席では寒かった。

飛行機は1時間くらい暖められてから滑走路に向けて動き出した。30年前の旅行記によると-50度になるとエンジンはかからなくなるので、一旦エンジンをかけると一日のフライトすべてが終わるまで止めないと言う。



機内は飛び立つころまでは暖かいとは言えない。スチュワーデスのこんな制服は一見の価値がある。

飛行してからはいつの間にか寒さは気にならなくなった。高度はずっと2000m弱くらいの低空飛行。景色は一面の銀世界。


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