講演『中島飛行場と黒島をつなぐ』城戸久枝さん

土曜午後にイベント『中島飛行場と黒島をつなぐ』。自分の目当ては作家の城戸久枝さんの講演。数年前に著書「長春発ビエンチャン行」を読んだ後に、同じ城戸さんが書いたものとは知らずに「あの戦争から遠く離れて」を読んだのだが、その(後者の)筆力に引き込まれた。

「長春発~」は大学時代の中国留学時の片思い恋愛を描いた私小説、「あの戦争から~」は中国残留孤児である彼女の父親の生い立ちを彼女(著者)が探っていくノンフィクション。自分と同じ歳の著者の考えた事、行動がどれも自分の頭の中にすっと入っていき、読後の感じが非常に良かった。

今回の登壇者は、武蔵野市にあった中島飛行機の工場の空襲被害を調査している大学講師、鹿児島県の黒島に不時着した特攻機乗員と島民との交流を描いた話の出版と映画化活動をしておられる女性、そしてその活動を出版した城戸さんの3人。
鹿児島県三島村の黒島は、知名度も低い人口数百人の静かな島。自分は隣の硫黄島へ行った際に、戦時中の黒島への特攻機不時着事件のあらましを知り、今回の二つのテーマどちらにも関心有ったこともあり、このイベントに行った。
「武蔵野市の空襲被害を残したい」「離島である黒島の日々の暮らしの良さを伝えたい」と、各登壇者のテーマが少し離れすぎていて、トークが今一かみ合っていなかった。3人それぞれの話す内容すべてに興味は有ったので残念。
城戸氏がにこやかに話しておられるのを観られたのは良かった。その特攻機操縦士本人がまだ生存しておられ、このイベントに来られていた事が驚き。

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