[元仲田邸]山村の大豪邸貸切/備中宇治

【広大な屋敷を(ほぼ)独り占めにした夜】
米子から山道を車で3時間、金曜の夜9時にたどり着いた、山間の集落。この地で酒蔵業を営んでいた名主的な存在だった方が町に寄贈した屋敷をリノベした宿に泊まった。集落の主婦が手弁当で運営することを条件に、整備費用は町が出して1994年に開業した。地の食材を使った料理が自慢らしい。

当初、土曜夜に泊まろうと電話したのだが、一人での宿泊に難色を示された。一人だけの宿泊者のためにスタッフ(主婦)を召集するのはちょっと…と。ただ、4/15(金)ならもう一組宿泊予約が入っているから良いよ、と。金曜なら夕食の時間には自分は間に合わないので、食事は朝食だけつけてもらうことにした。

これ全部(写真に入りきらない)が一軒の家だとは思わず。左の体育館くらいの大きさの白壁の建物(元は酒蔵)が寝室用。

夜に着いたら外は暗く入り口がどこか分からず。建物の前で仲居さん(集落の主婦の方)が出迎えてくれた。宿の母屋だと思った建物は「門」だった(笑)。寝室まで案内されて「お風呂はお好きな時間にいつでもどうぞ、本も部屋に持っていってもらって大丈夫、寝室や事務室など以外の屋敷の開いてる部屋はどこを見てもらっても大丈夫、何かあったら電話ください」と挨拶して仲居さんは帰っていったのだが、その時点で車にスマホを忘れたことに気づいた。屋敷が広くて、どこで靴を脱いだのか(玄関がどこか)分からなくなった(笑)

もう一組宿泊者がいるはずだがもう部屋に籠っているようで、この広い屋敷に人影はない。虫の音を聴きながら村の昔話の本や、宿のことが載った記事のスクラップブックを見ていたらいつの間にか眠ってしまった。

朝食の際に、もう一方の滞在者と会えた。京丹後から来た60くらいのご夫妻。八幡や岡山の観光の話が弾む、楽しい朝食になった。

京都や滋賀からの小さな旅の話をしたながら。

宿泊費は4500円+朝食1000円。食べれなかったが夕食は山菜や川魚料理が次々出される懐石料理だったらしい。冬は鴨鍋が人気とか。これまで宿泊費は1泊3000円だったのだが、値上げしたと。それでも安い。

朝食後、敷地内を散策。すべての部屋に手入れが行き届き、陽の光が入っている。自分以外に人影はない。集落の人たちは持ち回りでほぼ無報酬でやっているのではないか。

蔵をリフォームした展示。この家の人たちが遺したものが展示されている。豊かで文化的な暮らしをしていたのが分かる。


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