大崎上島の木江には古い街並みが残っている。大崎下島の御手洗と同じく風待ち港として栄えた集落なのだが、ここは歓楽街の要素が強い。船乗りを相手にしていた遊廓が有る。古くは”おちょろ舟”と呼ばれる小船に女性が乗って、沖合に停泊している船に営業に出ていたそうだ。昭和30年代まで営業していたようだ。
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斎島であったおじいさんも「盆、暮れ正月の休みに御手洗に遊びに行くのが楽しみでなぁ」と話していた。大正時代以降は帆船も無くなり風待ちする必要は無くなったので、地元の男性を相手にしていたのだろう。
写真を撮りながら歩いていると、通りに面した商店から70代くらいの女性が出てきた。所作がきれいで、品が有る人だ。この人の子供の頃は、この街には富が集まり、この人の家も良い暮らしをしていたのだろう。 –
自分達がこの集落を目当てで来たことを知ると、かつてここに居た ”男性にお世話をしていた方” について書かれた小説のコピーを渡してくれた。実在の女性の話のようで、氏名はイニシャルで書かれている。
今は静かな集落。木造3階建ての建物のほとんどは空き家だ。修繕を施してももう無理だろう建物が多いが、いくつかはまだ住めそうだ。ここが首都圏に近ければ観光客(?)が来るのかもしれないが、残念だがここは人知れず消えて行く運命にある。
本当はこの集落に有る宿で泊まるつもりだったが、宿泊定員が理由で泊まれず。自分の事前知識も少なく、同行者たちにもうまく説明できず残念。
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