パキスタン料理「パミールレストラン」再訪

目当ての店が、ない
フィリピン食材店で焼バナナを食べたものの、もちろんそれだけで食事が足りるわけではない。次に向かったのは、パキスタン料理の「マーフレストラン」。食べログのエスニック料理百名店にも選ばれた店で、ここでしっかり食事をしようと思っていた。ところが、到着してみると――店がない。移転してしまったらしい。
せっかくここまで来たのに。以前来た時にも見かけたパキスタン人の自動車修理工場がある。例の黒い旗がはためいている工場だ。そこで働いていたパキスタン人に聞いてみると、店が移転したことを教えてくれた。こういう時、Google Mapより地元の人に聞いた方が早かったりする。
それなら「パミールレストラン」へ
仕方がないので、以前訪れた「パミールレストラン」へ向かう。前回来た時の印象は強烈だった。店内は、日本のレストランというより、砂漠を走る長距離バスの休憩所
…という感じ。もちろん自分の勝手なイメージだが、パキスタンの地方都市か、中央アジアへ向かう街道沿いにでもありそうな雰囲気だった。それが面白くて、よく覚えている。
ところが今回は、前回とは違う部屋へ案内された。「Sunday Family Room」と呼ばれる大きな部屋。前回の食堂とはずいぶん雰囲気が違う。広い部屋にテーブルが置かれ、その中央にはなぜかマンゴーの箱が山積みになっている。部屋の奥で横になっている男たちを見ていると、パキスタンに居るかのようだ。

厨房も、なかなかすごい
店の厨房を覗いてみる。これもなかなかの迫力。大きな鍋や調理器具が並び、いかにも大量の料理を一気につくりそうな厨房だ。こういう店では、きれいに整えられた客席より厨房の方が面白かったりする。実際にそこで誰が何を作っているのか。どんな鍋を使い、どんなスパイスを入れているのか。日本にある店なのにパキスタンの食堂に来たような気分になる。

カラヒ、ケバブ、マサラ……
料理が次々と運ばれてくる。カラヒ、ケバブ。そして羊肉。パキスタン料理らしく、肉料理が多い。自分は煮た羊肉が苦手なので、これはあまり食べられない。羊肉そのものが嫌いなわけではない。焼いた羊肉なら羊肉串でも何でも好きなのだが、煮た時に出る独特の香りがどうしても苦手なのだ。しかし他のみんなは「おいしい」と言って食べている。


食後は、隣のショップへ
食事を終えたら、隣のショップへ。レストランだけで帰らず、食材店も見る。そして、ここで見つけたのがパキスタン産マンゴー。12玉入りで4,400円。パキスタン産マンゴーは日本ではまだどこでも普通に買えるものではない。それがここでは一箱単位で積まれている。しかも安い。さすがに一人で12個はいらないので、4人で共同購入することにした。後で食べてみたが、これが素晴らしく甘く、買って正解だった。
茄子4個50円
そして、もう一つ目を疑った商品。茄子4個、50円。安い。あまりにも安い。畑で穫れ過ぎたのだろうか。マンゴーは4人で共同購入したが、茄子を買ったのは僕だけ。しかも3袋、茄子12個、150円。パキスタン料理を食べに来て、帰りにパキスタン産マンゴーと大量の茄子を抱えて帰ることになるとは思わなかった。



レストランと食材店がつながる場所
こういう店を訪ねていて面白いのは、レストランだけで完結していないことだ。隣では故郷の食材を売っている。マンゴーのような季節の果物も入ってくる。周辺に暮らすパキスタン人たちが食事や買い物にやって来る。
日本人の僕たちにとっては「外国料理を食べに行く場所」だが、ここで暮らすパキスタン人にとっては、もっと日常的な場所なのだ。
