【大屋旅館】城下町の江戸から続く宿/大多喜

【城下町の激渋宿を貸切?~大多喜町/大屋旅館】
巷は緊急事態。人を誘って出かける雰囲気ではなく一人で家を出る。今回の目的地は一人旅にぴったり、つげ義春が”理想の商人宿”として描いた房総の山奥にある小さな町の宿。
着いたのは夕方。明治建築の建物はしっかりしていて、つげ義春の哀愁感は意外と無い。”ボロ宿”ではない。横の夷隅神社で結婚式を挙げてここで披露宴が行われていた時代の、割烹旅館の佇まいは残っている。

朝食だけを予約し、夕食はどこかに食べに行くつもりだったが、宿は城下町の中心に有るのに周囲には夜に開いている飲食店が全く無い。コロナ禍だからか、大多喜の町で宿泊する人は少ないからだろうか。駅前に数件有る店もすべて閉まっている。徒歩15分くらいの町外れ(国道沿い)のスーパーの惣菜になってしまった。

離れや庭、広いわけではないが一人では充分な広さの風呂も独占。虫の音しか聞こえない日本家屋の静かな夜は更けていく…

この宿は大正から戦前にフォードの自動車を輸入してバス事業を行っていたとの事。つげ義春ではなく正岡子規が滞在したことの方をアピールした方が良いのではと思える雰囲気で、テレビの撮影にもよく使われるとの事だが、今日の宿泊客は自分一人だけ。

「千葉の自由は夷隅の山中に」。明治時代初期、大多喜は自由民権運動の中心地。この部屋は活動の寄合いにも使われていた…がそれを知る人はもう居らず、歴史の彼方に。

【大屋旅館】
6800円。予約は電話のみ。

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