【庄太郎】雪国山村集落の民宿/飯豊町

修験道で有名な飯豊山(日本100名山)の大日杉小屋へ向かう登山道に一番近い宿。最寄りの街から車で一時間半くらい。集落の端に位置するこの家の前までの道は除雪されている。この集落には8軒の農家民宿が有る。

宿泊当日の午後に予約を取るために電話。「今晩か明晩に泊めてほしい」という旨を伝えると「では今晩に」と。シーズンオフで客は自分一人だが食事付で大丈夫との事。到着後に話をして知ったのだが、辺鄙なエリアなのできっと他の宿に断られたからうちに電話をしてくれたのだろうから何とかして受け入れようと思ったと。

宿に向かう途中の民家。この飯豊町中津川の家は密集しておらず、道路沿いに点在している。

到着したのは陽が暮れたところの17時過ぎ。外観を見て40年くらい前に建てられた家かと思ったが、部屋の柱は立派。古民家を改装したものだった。囲炉裏も有ったが維持が面倒なので、林業も営むこの家ですら今はもう使っていないと由。

夕食はご主人と向かい合って一緒に。普段は夕食は玄関入ってすぐの仏間兼客間でするらしいが、この季節は寒いので居間で。食事は山形牛のグリル、アマゴの塩焼き、山菜、舞茸からほぼすべてこの地域の食材を使った奥さんの手づくり。ビールで始まり途中から、薪ストーブで温めた燗酒に。食材の解説&クイズ(笑)、山の暮らし、民宿業の話までホスピタリティーが行き届いてすごく心地良い。

右上の小皿、何の料理か分かるかな?「胡椒が効いてますね。素材は…何だろう、大きな実の外側の皮の部分だけを使ってますよね?中身は無くって」「おぉそこまで分かればほぼ正解。答えはアケビ」

山形のソウルコフードの芋煮。この地域では牛肉に里芋なのだが、今日は豚肉でごめんなさい、と。いやいや、本当においしい。

「この赤いのは何の天ぷらかわかるかな?」答えは最近作り始めたビーツ。寒冷地にぴったり。

アマゴの塩焼き。目の前の川で釣ったものを保存しておく。

山形牛。冬は滅多に客はいないはず。自分の為に買いに行ったのだと思う..

リンゴは隣の町で作っているもの。手作りのプリンも。当日急に泊まりに来た自分だけの為にここまで…

この家より先は無人地帯なので当然だが、周囲は静寂。時折屋根から落ちる雪の轟音。 野生の獣はよく出るようで、集落に猟師は3人居て、巻狩りの際にはみんなで出かける。今年はツキノワグマは5頭倒したとの事。このあたりで農作物被害が多いのはサルなのだが、気分的に撃てないしなぁ…とか。
民宿の客が多いのは夏。外国からは台湾とアメリカから。農家民宿の制度上5人までしか泊められないので、団体客の場合は8軒で割り振る。台湾からの送客を受け入れることになった経緯は別述。JTBの社長も自らこの家に泊まりに来た。

千葉県の小学校の体験学習での宿泊、何年も続いたが原発事故以来無くなった。ここ(山形県飯豊町)に放射能汚染は無いと思うんだがなぁ…気にする人が居るんだろうなぁ、悲しいなぁ。一泊しただけなのに、帰りたくないと言って部屋から出てこない子が居るんだよ…もう来ないのかなぁ…
集落で獲れたものを東京でのイベントで売りに行く話が具体的なので訊くと、集落で興した団体の代表との事。食前酒は梅酒ではなくメイプルシロップ。民宿を始めた経緯の話など興味深い。
飯豊山には当然何度も登っている。一日目は山小屋に泊まり翌朝から1日かけて山頂を目指すのが一般的。頂上部分は福島県だが、登山者数は山形県からの方が多い。知らなかったがこの話には理由が有って…

山形の花笠まつりの菅笠は、ここのおばあさんが作っている。夕食時には既に寝ていたようで会わなかったが、朝食時には会えた。日曜朝でNHK「小さな旅」を見ながら話をしたのだが、昭和の暮らしの話が興味深く。炭焼きは数年前にもうう誰もやらなくなった。作ればある程度の金にはなるが、それなりに力仕事だしなぁと。

朝食。納豆も家で作ることはなくなったなぁ、と。

宿の前。県道なので県が、集落内の道は町が、庭先は各自で除雪する。朝7時には除雪は完了するよう決められているようで、通常は朝4時半くらいに除雪車はやって来る。

屋根は斜面になっていて雪は勝手に落ちるが、この平の部分だけは人力で。

仕事中(林業)に山で拾ってきた犬。
全くなつかないが、飼い主が離れると寂しそうに鳴く。


良い宿、と言うか人と巡り合えてよかった。飯豊山のおかげか。


農家民宿 庄太郎
〒999-0436 山形県西置賜郡飯豊町岩倉88
1泊2食7,800円 (2023年12月現在)
予約は直接電話のみ 0238-77-2381

NAKANISHI KEIICHI

旅が好き

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