「与那国沖 死の漂流」 伊良皆高吉

与那国沖 死の漂流
~わが青春の闘い~

伊良皆高吉
ボーダーインク/出版

1952年、与那国島在住の20歳の若い中学生教員であった著者が、石垣島からの帰路に乗った貨客船が転覆、台湾(国民党)軍船に救助されて生還したことの体験記、及びその後の人生を振り返って書いたもの。
当時アメリカ領だった沖縄での事件で、日本(本土)ではあまり知られていない貴重な記録。また著者の父親も戦争中に同じように船が転覆、今になって注目を浴びている尖閣諸島で衰弱死したという稀有な繋がりも有る。

事件後教員を辞めた著者は日本へ出国、早稲田大学で学び、日本のカップラーメン会社に就職する。退社後に沖縄に戻り、日本からカップラーメンを輸入する商社を設立する(当時は沖縄は日本ではない)。日本復帰後は沖縄県会議員、現在は三線奏者。
自伝にありがちな、良い部分しか書かれていないようなきらいは有るが、珍しい体験をしておられるのは事実。興味深く読んだ。

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