「悟浄出立」 万城目学

悟浄出立
万城目学
2014/7/22
集英社

あれ、自分の知る万城目ワールドではない???と思ったが、こんな文章も書くのか、中国史が好きなんだな。元となる出典の主旨を活かしつつ、独自の世界に引っ張り込むのは流石。
これは中島敦の習作か、芥川の”羅城門”のようなものなのだろうか。

短編集で「悟浄出立」のほかに「趙雲西航」「虞美寂静」「法家孤憤」「父司馬遷」の5作。 「虞美寂静」が、聞いた事の有る話をなるほど…と思わせる視点で書いていて良い。「法家孤憤」は創作だろうか、無名の一官吏が主人公なのだが、好き。

追記:と思って検索したら「荊軻刺秦」というのを知った。あの”始皇帝暗殺”の元ネタか。この「法家孤憤」は、同じ読みの別人物がいて…という話なのだが。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

*

CAPTCHA