「使者と果実」 梶村啓二

「使者と果実」梶村 啓二2013/2/21 破滅につき進む男女。最後の一瞬に幸せをつかむのか…最後に明らかになる事(二人は結び付いたのか)と、最後まで謎に包まれている事(最後に女のとった行動)の両方で、読後の余韻を楽しめ 続きを読む 「使者と果実」 梶村啓二

「悟浄出立」 万城目学

悟浄出立万城目学2014/7/22集英社 あれ、自分の知る万城目ワールドではない???と思ったが、こんな文章も書くのか、中国史が好きなんだな。元となる出典の主旨を活かしつつ、独自の世界に引っ張り込むのは流石。これは中島敦 続きを読む 「悟浄出立」 万城目学

「海嘯」島尾ミホ

明治期の加計呂麻島での生活を静かな文章で情緒的に描かれている。話し言葉の部分は当時の言葉で書かれていてルビがふられている。島尾ミホ最後の作品なのだが、80代後半の人が書いたとは思えないきれいな文章(80代の人の文章を読む 続きを読む 「海嘯」島尾ミホ

「天皇の密使」 丹羽昌一

天皇の密使丹羽昌一 メキシコ革命(1914年)のことを知らずに読んでも楽しめる。元外交官が書いたミステリー&アドベンチャー&外交裏事情小説(?)。題材となる日本人外交官が実在したようで、どんなものなのか面白い。国家間では 続きを読む 「天皇の密使」 丹羽昌一

「赤い月」 なかにし礼

「 赤い月〈上〉」「 赤い月〈下〉」なかにし礼2001年4月/新潮社 著者の満州での幼少期に体験を下に書かれて私小説だが、主人公は母だ。 よくある「戦争の悲惨さ」だけを描いたものではない。著者の母の特異な過去をモチーフに 続きを読む 「赤い月」 なかにし礼

「炎熱商人」 深田祐介

「炎熱商人」 深田祐介文芸春秋 昭和57年5月30日刊 総合商社の在フィリピン支社に出向することになた木材商社の社員を中心に、フィリピンと日本との関係を描く。個性的な(ステレオタイプで没個性的とも言えるのだが)日本人とフ 続きを読む 「炎熱商人」 深田祐介

「ベルリン飛行指令」 佐々木譲

「択捉遥かなり」の佐々木譲のメジャーデビュー?作。フィクションなのだが、全くそうは思わせない時代考証。本当にそんなことが有ったのかもと思わせるすばらしい内容。太平洋戦争時の雰囲気もよく出ている。視野の狭い軍事マニア向けで 続きを読む 「ベルリン飛行指令」 佐々木譲